赤ちゃんが生まれた後、夫婦仲が悪くなってしまう現象を、産後クライシスと呼びます。我が子の誕生が楽しみな反面、パートナーである夫との関係が悪くなってしまったらどうしよう…と、心配になってしまいますよね。
今回は、産後クライシスになりやすい女性の特徴を、5つ紹介します。出産を控え、産後クライシスが不安な人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
産後クライシスとは?産後うつとの違いは?
冒頭でも触れたように、産後、夫婦仲が急激に悪化する現象を、産後クライシスと呼びます。
出産後、女性のホルモンバランスが大きく崩れるのは、よく知られています。産後クライシスも、ホルモンバランスの影響で、夫に対してイライラしたり愛情が湧かなくなるのです。
産後クライシスの主な症状は、
- 夫に対して、今まで気にならなかったことでイライラする
- 夫とのスキンシップに嫌悪感を感じる
- 夫婦間の会話がほとんどなくなる
といったものが挙げられます。また夫も同様に、
- 妻がイライラしていて話しかけづらい
- 家族なのに冷たく扱われて孤独感を感じる
- 家庭ではくつろげないので、仕事をしていた方がマシ
と感じることで、さらに夫婦間のコミュニケーションが少なくなり、産後クライシスがより深刻化するケースも…。
ここで覚えておきたいのが、産後クライシスと産後うつの違いです。どちらもホルモンバランスが関係していますが、産後うつは女性がうつ状態になる「病気」を指します。
対して産後クライシスは、夫婦仲の悪化といった「現象」です。産後うつとは違い、妻から夫への攻撃性が認められ、夫婦仲が悪くなる原因に繋がります。
産後クライシスになりやすい人の特徴5選
産後クライシスは、どの夫婦にも起こり得ます。しかし、なりやすい人には共通点があることもわかってきました。
ここからは産後クライシスになりやすい人の特徴を、5つ紹介します。特徴に当てはまるからといって、必ずしもなるとは限りませんが「気をつけよう」という、きっかけにしてみてくださいね。
①真面目で完璧主義
産後は身体的なダメージに加え、ホルモンバランスまで崩れています。大人の助けがないとなにもできない赤ちゃんを抱えて、産前と同じ生活を保つのは難しいと言えるでしょう。
真面目な人は、ひとりでタスクを抱え込んでしまいがちです。家事や育児をすべてひとりでしようとしない、うまくいかないことが当たり前と考えるなど、ストレスを減らす考え方をするといいでしょう。
②里帰り出産などで、長期の別居期間がある
里帰り出産は、決して悪いことではありません。家族のサポートが受けられ、母親の体力の回復が見込まれるなど、メリットがたくさんあります。
しかし別居期間が長いと、夫に父性が芽生えにくくなるのも事実です。育児への温度差も、産後クライシスの原因になり得ます。
後ほど解説しますが、里帰り出産をする場合は、父親としての自覚を早いうちから育てることが大切です。
③周りに相談できる人がいない
初めての育児は、常にわからないことだらけです。そんなとき、気軽に相談できる人がいないと、孤独感を感じてしまいます。
雑誌やネットの情報に頼るのもいいですが、それがすべて正しいと思い込まないようにしましょう。特に初産の女性は、産前に相談できる人を見つけておくと、安心できますよ。
④家族・夫婦仲があまり良くない
産後クライシスは、夫婦と子どものみの家族構成に限った話ではありません。実家の家族と同居、または義実家と同居している場合でも、産後クライシスになることがあります。
「夫がなにもしてくれない」「実家と仲が悪く、サポートが期待できない」など、家族関係のストレスはありませんか?産後、お母さんが落ち着ける環境をつくることが、産後クライシスの予防につながります。
⑤高齢出産で心身ともに負担が大きい
一般的に35歳以上での初産を高齢出産と呼びますが、産後クライシスは初産に限らず、警戒すべきと言えます。なぜなら産後の肉体的・精神的負担は、出産時の年齢に比例するからです。
精神的な成熟が、落ち着いた育児にいい影響を与えるなど、高齢出産が悪いわけではありません。しかし、産前にこういったリスクもあることを、夫婦で理解しておくことが大切です。
産後クライシスを防ぐ方法3選〜産前編〜
産後、育児をしながら、産後クライシスに向き合うのは大変です。まずは産後クライシスを回避するために、産前からできる準備を確認しましょう。
産後クライシスを防ぐには、3つの方法があります。どれも夫婦の協力が必要不可欠なので、できるものから実践してみてくださいね。
①産前からコミュニケーションを欠かさない
父親は妊娠・出産を経験できないため、育児を「自分事」として考えるのに時間がかかります。そのため、育児に対しての温度差を感じるシーンが多くなるのです。
しかし「なにかしてあげたい!」「でもなにをしたらいいのかわからない」と、寄り添う気持ちがある夫もいます。産前から、産後はどんな状況なのか・なにをしてほしいのかを話し合っておくと、夫も動きやすくなりますよ。
②夫婦で産後のホルモンバランス・育児について学んでおく
産後のホルモンバランスや育児について、父親は学ぶ機会が、母親に比べてあまりありません。特に夫がホルモンバランスについて、十分に理解していれば、産後クライシスを回避できる大きなポイントになります。
余裕があれば自分が教えてもいいですし、病院の両親学級に参加するものOKです。専門家に教えてもらえると、受け入れやすい、という男性も少なくありません。
③夫以外で相談できる大人を見つけておく
産後は赤ちゃん中心の生活になるため、どうしても大人と話す機会が減ってしまいます。会話ができない赤ちゃんとの生活は、想像以上に孤独感を感じやすいのです。
そのため、夫以外に相談できる相手がいると、精神的に安心します。相談に限らず、会話ができる大人がいることは、育児の疲れや寂しさを紛らわすのにも必要といえるでしょう。
産後クライシスの乗り越え方・対処法〜産後編〜
どんなに産前から対処していても、産後クライシスになってしまう可能性はあります。しかし乗り越え方を知っていれば、焦る必要はありません。
続いては、産後クライシスの乗り越え方を、3つ紹介します。ひとりで落ち込んだり、悩んだりせず、夫や周りの人の協力を仰ぐことを、忘れないでくださいね。
①お互い冷静に状況を受け入れる
産後クライシスになってしまったときは、お互い冷静になり、一旦状況を受け入れましょう。先ほども説明した通り、産後クライシスは、産後のホルモンバランスの乱れが大きな原因です。
「どちらかが悪いわけではない」「一過性のもの」と、ある意味諦めて、受け流すようにしましょう。その間もできる範囲で、夫婦間でコミュニケーションを取るのが大切です。
②託児サービスなどを利用し、育児から離れる時間をつくる
育児は夫婦で共に行うもの、といっても母親がメインになる家庭が多いですよね。産前は当たり前にあった、自分の時間が取れなくなるのは、かなりのストレスになります。
時には託児サービスや、両親を頼ったりして、数時間でも自分や夫婦の時間を確保しましょう。気分転換や、日頃不足しているコミュニケーションを補うことで、産後クライシスを乗り越えるきっかけになります。
③産婦人科をはじめとした医療機関に頼る
産後クライシスと産後うつは別である、と言いましたが、産後うつから産後クライシスになるケースもあります。そんなときは心療内科など、医療機関を受診し、治療を受けましょう。
また産後クライシスに関する勉強会や、夫婦でのカウンセリングを実施している施設・団体もあります。夫婦だけで悩まず、経験者や専門家の話を聞くのも、産後クライシスへの有効な対処法です。
自分の性格を改めて理解するのも、産後クライシスを回避するポイント
産後クライシスを心配する女性は、少なくありません。また気をつけていても、実際に産後クライシスに悩む母親も多いです。
深刻化すれば離婚の原因にもなる、産後クライシスを乗り越えるには、夫にも理解を深めてもらうのが最善の方法です。母親自身の性格と照らし合わせ、夫婦でできる対策をしていけば、きっと乗り越えられるでしょう。
ミツバナでは出産・育児など、女性のライフイベントに関する記事を、多数発信しています。こちらの記事も、ぜひお読みください。
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