大人の思春期って知ってますか?実は筆者もつい最近まで、聞き慣れない言葉で「ミッドライフクライシス」といわれる、中年期に起こる、第二の思春期と表現されるさまざまな不調をきたす症状を指す言葉です。今回は、そんな多くの方が抱えているという、悩める大人の思春期問題に注目してみました。
第ニの思春期
大人の思春期とは
大人の思春期とは、年以降に今までの自分への後悔や、これからの未来に対してからの不安や葛藤を迎え、精神的、肉体的に不安定になる時期を指します。10代の少女時代に訪れる、思春期のことを第一思春期とし、中第二思春期として別名ミッドライフクラシスとも呼ばれています。
どれくらいの人がこの状態に?
大人の思春期、ミッドライフクライシスは、中高危機ともいわれ、40代・50代が対象とされていました。しかし、最近では、30代の半ばでもこういった症状を訴える人たちもいることから、その年齢層は広くなり、30歳以降(ミドルエイジ)を指すようになっています。一説によると、日本人の男女合わせ、8割が大人の思春期といわれる、このミッドライフクラシスを迎えるようです。
大人の思春期が訪れる要因
人生で一番充実期と言われる中年期に、こういったミッドクライシスの症状がでてしまうのはなぜでしょう。専門家などの声によると、こういった原因がミッドライフクライシスに繋がる心の起因と伝えています。
・人生のピークがわかりはじめる
・人生の選択肢が少なく感じる
・自身のアイデンティティ(存在証明)が確立できていない
・社会のルールに自分を合わせすぎている
・他の人の人生を知り、比べてしまう
・やってもやっても終わらない仕事に追われている
・もう戻ることのない過去に喪失感がある
幼少期〜青年期〜大人へと、これまでの人生を突き進んできた結果である、現在の自分の位置。ふと立ち止まった際に「こんな人生で自分は本当にいいのだろうか?」と漠然とした不安感が大人の思春期の心中にあるようです。
〇〇との違い
大人の思春期うつ病との違い
ミッドライフクライシスの症状の一つである「何も楽しめない」という状態は、うつ病の症状に似ています。しかし、ミッドナイトクライシスでは、そういった症状はありつつも、日常生活は続ける事が可能です。専門医の元で、医療的な処置を必要とする病気である「うつ病」に比べて、深刻な状態ではありません。ただし、ミッドライフクライシスを抱えている人の中では、自分では解決する事ができず、そのまま完全なる「うつ状態」へと移行する場合もあるので、要注意です。
大人の思春期と更年期の違い
更年期障害とは、個人差がありますが、特に50代に多く、閉経した後に、体の火照り、心理的な落ち込み、様々な身体の変化を指し、時には薬などで治療が必要な状態を言います。一方、ミッドライフクライシスは、更年期時期にも当てはまりますが、閉経の有無にかかわらず、空虚な心理状態が維持される状況にある30〜50代を指します。また、更年期障害は女性の特有なものとされていましたが、ミッドナイトライフクライシスは男女の症状には多少の違いはありますが、男性にも見られる症状です。ただし、学者の中には、性別毎でこそ区別をしますが、更年期障害もミッドライフクラシスも同じものとする意見もあります。
ミッドクライシスの症状
充実感を感じられない
多くの事に達成感を得られずに、充実した気持ちになる事が少なくなる。ここ最近、満足感を得られていないと感じたら黄色信号です。
日々退屈、無意味な感情になる
繰り返す毎日が退屈。何のためにこんな事をしているのか?など、これまで考えてもなかった、空虚な感情を、ふと抱いてしまいます。
過去をすごく後悔する
あの時こうしていれば、どうだったのか? 「旦那と結婚しなければ…」「あの時、夢を諦めなければ…」など、過去の自分の行動を凄く悔やんだりします。
他人と自分を比較
自分の人生と真逆であったり、キラキラしている人生を送っているようにみえる相手と、自分を比較し、劣等感をもち、ひどく落ち込んでしまいます。
衝動的な行動をおこす
心機一転したいという、焦りから、衝動的な行動を起こす人も多いとか。男性では、後先考えず、不倫に走る人もいます。
※ここで紹介した症状は主な一例です。この他にも、個々で症状は異なり、大人の思春期を確認するチェックシートを公表しているサイトなどもあります。
大人と思春期の乗り越え方
自分を見つめなおす
まず大切なことは、自分自身を知る事。自分はどんな人間なのか?何を望んでいるのか、ゆっくり、自分の心と向き合う時間が必要です。家族に協力してもらい、一人の時間を作る、信頼している友達に話を聞いてもらう、ヨガなどを用いて、瞑想の時間を持つ、などの人それぞれのあった仕方で、自分自身を内省します。大人の思春期は、いわば、自分を見失っている状況なので、自分自身で、自分を見つけてあげる事が大切です。
自分の再定義
次に、自分を見つめ直した結果、どういった人になりたいかが、少しわかったと仮定します。この段階にきたら、具体的な目標を立ててみてはいかがでしょうか?例えば、自分より年上で、理想としている人生を歩んでいる人を見つけ、その人を目標としてみる。そうすると、将来のビジョンを少しずつ描きやすくなると思います。
新しい事をしてみる
また、今までしたことがない事に挑戦し、新たな自分を発見する事も、ミッドライフクライシスを抜け出す、足掛かりになるかもしれません。少し興味を持っていたけど、これまでやってなこなかった趣味などにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?新たな自分の一面を知るきっかけになり、目標を見つけやすい面もあります。
おすすめ著書
ミッドライフ・クライシス
著者:鎌田 實
大人の思春期(ミッドライフクライス)をより知りたくなったのなら、こちらの著書もオススメです。著者の鎌田 實(かまたみのる)氏は、お医者さんでもある為、医学的知見や本人の経験を元に記載しており、色々と納得ができるオススメの一冊です。
悩める大人の思春期一緒に乗り越えていこう
これまで紹介したように、30〜50代になると、ミッドライフクライシスは8割の人が経験するようです。個々で症状は様々だと思いますが、現段階で大人の思春期に悩まされている方は、みんな一緒の悩みを抱えていて、同じく悩んでいる事を知り、励みになって欲しいと思います。それぞれのペースで、このミッドライフクライシスを乗り越え、これからの人生を全うしましょう♪