くしゃみや咳でおしっこのチョイ漏れ……。そういえばこの前のセックスでは、パートナーに「最近締まり悪くない?」と言われたっけ?そんなあなたは、もしかすると膣のゆるみが始まっているかも知れません。この記事では、膣のゆるみの原因や症状を徹底解説。
ゆるんでしまった膣の締まりを良くするための改善方法なども紹介しています。
膣のゆるみがあるとどうなるの?
尿もれが発生する
くしゃみや咳、重たいものを持った拍子に尿もれをすることはありますか?ひどい場合は、ボトムが濡れるほどの尿失禁が起こることも。これらの症状は骨盤底筋の衰えによって、膣のゆるみとともに発生します。
多くの場合は妊娠・出産を機に骨盤底筋が伸び切ってしまうことが原因。それでも、運動や薬物療法、手術などによって約8割以上が改善するといわれています。
「セックスのし過ぎでガバガバ」は間違い
そもそも「セックスの回数が多い=膣がゆるい」という認識は間違い。膣のゆるみは腹筋や骨盤底筋が弱くなることで悪化します。後述する方法である程度は改善するので、パートナーに心無い言葉をかけられたら訂正してあげましょう。
ただ、膣穴より遥かに大きなサイズのモノを繰り返し挿入していた場合、ゆるむ可能性があります。ピアスホールが徐々に広がるのと同じイメージです。
セックスにも影響出る
膣のゆるみはセックスにも影響が現れます。ゆるみがあると必然的に、男性のペニスを膣で締めにくくなるからです。
すると男性がイキにくくなり、「アソコがゆるい」と言われれば女性はショックを受けます。さらに女性側も、膣がゆるめば挿入時の感度はが落ちてしまいます。
恥ずかしい膣ナラの原因に
セックス時、座位や仰臥位の姿勢から立ち上がった時などに、膣に入った空気でオナラのような音が出る場合があります。これらは膣ナラ(ちなら)またはマンブーなどと呼ばれ、人に聞かれると非常に恥ずかしいですよね。
この膣ナラも、膣のゆるみが引き起こすもの。膣の中に空間ができてしまうためです。
膣からお風呂のお湯が流れ出る
お風呂から上がった時に、膣から尿失禁のようにお湯が垂れてくることはありませんか?湯船に浸かっている時、ゆるんだ膣からお湯が入り込んでしまうために起こる現象です。
お風呂上がりに腟内の残り湯が流れ出て、下着が濡れてしまうなんてことも。
尿を途中で止められない
あなたは排尿時に膣をキュッと締めて、出ていた尿を途中で止められますか?これは、骨盤底筋の状態を知るためや膣トレ前の、セルフチェックに使われる方法です。
膣がなかなか締められない場合は、膣がゆるんでいる可能性があります。
日常生活にも注意!膣のゆるみの原因
加齢により膣がゆるむ
年齢とともに肌のコラーゲンが減少するのと同じく、膣粘膜のコラーゲンも減少します。分かりやすく言えば、若い頃の膣壁はハリと弾力があるクッション。それが次第に薄く硬くなり、ひだも平らになります。
また、加齢とともに尿道を締める筋力も低下。尿漏れを起こしたり、膣圧(膣の締め付け具合や圧力)が弱くなったりといった症状が現れます。
出産を経験すると膣がゆるみやすい
妊娠すると、肥大した子宮の重みなどにより、骨盤底筋に負担がかかります。さらに出産で産道を赤ちゃんが通る時、膣壁は大きく拡張し、引き伸ばされています。
産後ある程度までは元の状態に近くなりますが、完全に出産前の状態には戻りません。
出産時に会陰部の筋肉が断裂することも、膣口のゆるみにつながります。
肥満が膣のゆるみを引きおこす
妊娠の話と似ていますが、膣のゆるみは肥満も原因の一つです。下腹部につきすぎた脂肪は、骨盤底筋にとって大きな負担。重みに耐えるうちに筋肉が伸びてしまうため、膣が緩んだ状態になってしまいます。
運動不足は膣のゆるみが加速
運動をしなければどんどん筋肉が落ちて、ウエストやお尻がたるんできませんか?骨盤底筋も同じです。筋力が低下すると、膣のゆるみは加速します。さらに骨盤底筋は日常で動かすものではなく、意識して鍛えなければ落ちる一方。
膣トレなどを積極的に取り入れるのがおすすめです。
便秘でいきむと膣がゆるむ
意外かも知れませんが、便秘も原因の一つ。便秘そのものが原因ではなく、排便時にいきむことで骨盤底筋に負担がかかるからです。膣周辺の筋肉が無理に引き伸ばされることが、膣のゆるみにつながります。
便秘ではなくても、腹圧をかけ続けると骨盤底筋がダメージを受けることに。間違った姿勢での腹筋運動や重い荷物をいきなり持つこと、風邪やぜんそくなどで頻繁に咳をすることや、アレルギーによるくしゃみがひどいことなども原因として挙げられます。
骨盤底筋を鍛えよう!膣のゆるみを改善する5つの方法
1. 自宅でできる膣トレ
衰えると膣のゆるみにつながる骨盤底筋。鍛えるには骨盤底筋体操(ケーゲル体操)がおすすめです。もとは女性の尿漏れ改善のために考案されたものですが、セックスの感度が上がったという報告も。トレーニングの手順は、以下の通りです。
- 立った状態でも座った状態でもOK。楽な姿勢を取る
- お腹の力を抜き、膣と肛門を上へ引き上げるイメージで引き締める
- 穴を締めた状態で10〜15秒程度キープ
- そのあとゆっくり深く息を吐く
これらを3セット行いましょう。
2. 健康的な食生活
肥満や便秘も、膣のゆるみを起こすもと。バランスの摂れた健康的な食生活を送ることで、膣のゆるみを防ぐことができます。積極的にとりたい栄養素は、以下の通りです。
- 食物繊維(バナナ、こんにゃく、寒天など)
- ライ麦粉、そば粉
- ナタデココ
- 野菜、果物
ジャンクフードなどの油ものは控え、糖質や塩分は無理に制限しないように気をつけましょう。
3. 排尿を途中で止める練習をする
膣トレの一環として、広く行われている方法です。トイレでの排尿時、膣に力を入れておしっこを止めてみてください。「上手く止められない」という場合は、膣のゆるみのサインです。
やりすぎると膀胱炎の原因になるので、1日1回でOK。
4. 上級者は膣トレーニンググッズで
「膣の中に物を入れる」という点では、やや上級者向き。トレーニングボールは球体が1つ〜数個連なっているような形をしており、膣に挿入して膣圧を上げるアイテムです。
挿入時間は10〜15分。慣れたら1時間ほど頑張ってみましょう。挿入している間は、膣周辺のインナーマッスルが鍛えられます。
5. 不安なら専門クリニックに相談を
膣のゆるみが軽度であれば、ある程度はトレーニングで改善します。
もしセルフケアで限界を感じたら、デリケートゾーンを専門的に扱うクリニックに相談しましょう。近年はさまざまな年齢層からの相談が増加しています。医師・スタッフともに全員女性というクリニックもたくさんありますよ。
治療が必要な場合もあるので、ぜひカウンセリングの検討を。
膣のゆるみは骨盤底筋への負担が原因
骨盤底筋に負担がかかることで、筋肉が引き伸ばされて起こる膣のゆるみ。加齢や出産などである程度は仕方のないことですが、エクササイズなどで鍛えたり、バランスの取れた食事でケアすることはできます。
膣のゆるみを感じた時がケアのスタートです。アンチエイジング効果や性生活の充実のためにも、膣のゆるみはできるだけ早く予防しましょう。