妊娠中絶手術にかかる費用の相場は?払えない時の対処法も紹介

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婦人科医と患者

妊娠中絶は、女性にとって、経済的・精神的・体力的にも大きな負担を伴う選択です。しかし、誰にも相談できずに一人で抱え込んでしまう人もいるのではないでしょうか。

この記事では、人工妊娠中絶手術にかかる費用の相場と、中絶費用が払えない時の対処法、妊娠にかかわる悩みを話せる相談窓口を紹介しています。

中絶費用の目安は7万円~60万円前後

お腹をおさえる女性

人工妊娠中絶にかかる費用の目安は、妊娠初期ではおおよそ7万円~20万円妊娠中期ではおおよそ30万円~60万円前後といわれています。はじめに、費用の詳細を解説します。

中絶手術は保険適用外

中絶にかかわる検査費用・手術費用・麻酔代・薬代などには、原則健康保険が適用されないため、すべて自費負担となります。

妊娠12週以降の中期中絶では、母体保護に必要と医師が判断した場合(流産など)のみ、保険適用が可能です。

そのため、経済的な事情や、望まない妊娠を理由とした中絶は、妊娠初期・中期問わずほとんどのケースで保険が適用されないことになります。

費用は医療機関によって異なる

中絶手術の際に発生する費用は、受診する病院やクリニックによって異なります。

医療機関の中には、妊娠中絶にかかわる相談料・診察料・検査費用などを無料としているところもあります。

できるだけ費用を抑えたい場合は、事前に近くの医療機関に問い合わせて、確認しておくとよいでしょう。

妊娠理由によっては助成金を受けられる

妊娠の理由によっては、公的な助成金を受けられる場合があります。

たとえば、性犯罪被害による妊娠の場合は、警察が中絶費用の一部または全額を負担してくれることがあります。

ただし、助成金を利用するには、警察への相談が必要です。

電話相談窓口である「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」のサポートを受けながら進めることをおすすめします。

妊娠週数による負担の違い

腰をおさえる女性

中絶手術ができるかどうか・手術にかかる費用・手術方法は、妊娠後の経過日数によって異なります。ここでは、妊娠週数による違いを解説します。

中絶手術が可能なのは21週6日目まで

妊娠週数は、「最後の月経の開始日」を妊娠0週0日と計算します。

人工妊娠中絶手術を行えるリミットは、法律の「母体保護法」により、22週未満(21週6日目まで)とされています。

そのため、22週目以降は、どのような理由があっても中絶手術を行うことができません。

一般的に、女性が妊娠に気付くタイミングは、妊娠4週目~5週目が多いと言われています。

中絶を選択する場合は、1日も早く手術をした方が女性の体への負担は小さくなります。

妊娠初期の場合(12週より前)

妊娠初期の場合、中絶手術にかかわる費用は、7万円~20万円前後とされています。

妊娠週数が経過するにつれて胎児が大きくなり、手術の難易度が上がるため、費用は高額になります。

手術方法は、掻爬法(そうはほう)または吸引法です。 麻酔を使った15分ほどの手術で、痛みや出血が少なく、当日中に日帰りできる場合が多いと言われています。

それでも、精神的な負担を考慮して、できるだけ休む期間をとった方がよいでしょう。

妊娠中期の場合(12週~22週より前)

妊娠中期の中絶手術にかかる費用は、おおよそ30万円~60万円前後とされています。

妊娠初期と同じく、妊娠週数が経過すればするほど費用は高くなります。

手術方法は、子宮口を開く処置を行った後、人工的に陣痛状態を作り、胎児を取り出す方法です。

妊娠中期の場合は、手術による体への負担が大きいため、数日間の入院が必要とされています。

中絶費用が払えない時の対処法

電話をする女性

妊娠中絶を考えている人の中には、経済的な理由で費用が払えない場合もあるかもしれません。ここでは、中絶費用が払えない時の対応方法を紹介します。

パートナーに費用を請求する

中絶費用は、女性にかかる精神的・肉体的・経済的な負担を考慮して、男性側が支払うケースも少なくありません。

しかし、女性の中には「相手に負担をかけたくないから相談できない」という人もいるでしょう。

それでも、あなたが妊娠した事実を知ることは、パートナーにとっても大事なことです。

自分ひとりではどうにもできない時は、相手の男性に相談することも考えましょう。

両親・兄弟・親族に相談する

妊娠したことを家族に言いづらいと感じる人も多いでしょう。

しかし、中絶手術は女性の心にも体にも大きな負担を伴うため、できるだけ家族のサポートが得られると安心です。

また、未成年者の場合は保護者の同意書が必要な場合があるので、早いうちに相談することをおすすめします。

分割払いを利用する

中絶費用を自分で用意する場合、クレジットカードで払える医療機関であれば、分割払いに対応していることもあります。

クレジットカードを利用すれば、引き落とし日までに口座にお金を入金すれば間に合います。

また、多くのクレジットカード会社は、「2回払いまで」であれば手数料は無料で利用できるので、検討してみるとよいでしょう。

各都道府県の妊娠相談窓口

パソコンを操作する女性

「妊娠したかもしれない」「誰にも相談できない」という人は、各都道府県の相談窓口を利用する方法もあります。ここでは、2つの窓口を紹介します。

一般社団法人全国妊娠SOSネットワーク

一般社団法人全国妊娠SOSネットワークのサイト

「一般社団法人全国妊娠SOSネットワーク」では、妊娠にまつわる日本全国の相談窓口を紹介しています。

窓口には、電話・メールまたはLINEで相談することが可能です。

また、「経済的な理由で病院にかかれない」「相手の男性のことがよくわからない」などのお悩み別の相談窓口や、利用できる公的制度もまとめられています。

一般社団法人全国妊娠SOSネットワークのHPはこちら

性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター

性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター

「性暴力被害者支援ワンストップセンター」は、性犯罪や性暴力に遭ってしまった人や、その家族向けの相談窓口です。

電話相談のほか、必要に応じて、医療機関や警察への付き添い、カウンセリング、法律相談などの支援を受けることもできます。 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター のHPはこちら

中絶費用に悩んだら、医療機関や周囲の人に相談しよう

女性運動をする人

妊娠した女性の中には、さまざまな理由から中絶を選択する人もいるでしょう。

中絶するかしないかを決めるのは大きな決断ではありますが、体への負担と費用を最小限に抑えるためには、1日も早く手術を受けた方がよいとされています。

決断や中絶費用に悩んだら、一人で抱え込まず、医療機関や都道府県の相談窓口、周囲の信頼できる人に相談し、サポートを受けながら適切な対応を行っていきましょう。

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