ミレーナとは?ピルよりお得な避妊具のメリットと注意点を解説

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ミレーナ

ミレーナとは、近年注目されている避妊具の一つです。低用量ピルよりも費用が抑えられ、長期間の効果が持続するため、ミレーナを使用する人が増えています。また、さまざまな理由で低用量ピルを服用できない人も、ミレーナであれば使用可能なケースがあります。

この記事では、ミレーナのメリット・注意点・使用のステップを解説しますので、ぜひご覧ください。

ミレーナとは?

ミレーナ本体

ミレーナとは、子宮内に装着するT字型の避妊リングです。T字型の縦の部分に黄体ホルモンが付加されており、子宮内での受精卵の着床を防ぐことで、約5年間の長期にわたる避妊効果が期待できます。

ミレーナは子宮内に挿入するため、以前は出産経験のある人に勧められる方法でした。しかし、近年では麻酔などにより挿入時の痛みが少なくなり、出産経験のない人やピルを服用できない人の利用も増えています。また、月経困難症や過多月経の治療方法としても効果的とされています。

◎ミレーナの使用が向いている人

  • 経腟分娩を経験した人
  • 月経痛につらさを感じている人
  • 月経痛の強さが増している人
  • 月経の量が増えてきた人
  • 長期間の避妊を希望する人

ミレーナを装着するメリット5つ

木に寄り掛かる女性

続いて、ミレーナを使用するメリットを紹介します。ミレーナには、避妊効果だけでなく、月経にまつわる悩みの緩和や費用面にもメリットがあります。

長期間の避妊効果

ミレーナの装着によって、最長約5年間の継続的な避妊効果が期待できます。

ミレーナを装着すると、本体に付加された黄体ホルモンの影響によって子宮内膜が薄くなり、受精卵の着床を防ぐことで避妊効果があらわれます。

ただし、ミレーナを装着したからといって100%避妊できるとは限りません。それでも、使用後1年以内に妊娠する確率は、コンドームが約2%、低用量ピルが約0.3%なのに対し、ミレーナは約0.2%と最も低いとされています。

月経困難症、過多月経、月経痛の緩和

ミレーナは、月経にまつわる悩みを緩和する治療方法としても活用されています。

黄体ホルモンの影響によって子宮内膜が薄くなることで、経血量を減らし、月経痛を軽くする効果が期待できます。また、医療機関で月経困難症や過多月経と診断された場合は、健康保険が適用されます。

ミレーナを取り外せば妊娠可能

ミレーナを装着してから5年以内であっても、妊娠希望があればミレーナを抜去することで子宮が元の状態に戻り、妊娠が可能になります。

そのため、「今は予定がないものの、もしかしたら将来妊娠希望するかもしれない」という人もミレーナを使用することができます。

低用量ピル服用よりも低価格

ミレーナは、低用量ピルを服用するよりも大幅に費用が抑えられます。

たとえば、低用量ピルを5年間飲み続けると約10~15万円の費用がかかるのに対し、ミレーナの使用にかかる費用は5年間で約1~3万円です。長期の効果を望む人には、ミレーナの使用がおすすめです。

ピルを服用できない人も装着可能

ミレーナなら、低用量ピルを使用できない人も使用可能です。低用量ピルを使用できない人の例としては、次のような人が挙げられます。

  • ピルの服用によって副作用が出る人
  • 血栓症のリスクがある人
  • 40歳以上の人
  • 1日15本以上たばこを吸う人
  • 高血圧の人
  • BMI30をこえる肥満体型の人
  • ピルの飲み忘れが多い人など

避妊や月経にまつわる悩みを持っているもののピルを服用できないという人は、ミレーナの使用を検討するとよいでしょう。

ミレーナの注意点

生理用品パッド

続いて、ミレーナを使用するにあたっての注意点を紹介します。ミレーナ装着によってあらわれる反応は人によって異なるため、装着後も都度医療機関に相談しましょう。

副作用が出るケースがある

ミレーナ装着後の数日間は、下腹部痛・腰痛・不正出血などの症状があらわれる場合があります。おりものシートを使用し、症状が続く場合は医療機関を受診しましょう。

臭いがある場合は、医療機関を受診する

ミレーナを装着すると、子宮から臭いが発生する場合があります。原因として考えられるのは、「おりものの変化」「不正出血」「細菌性膣炎」「性感染症」です。臭いが出た場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

出産未経験の場合は、挿入時に痛みを伴うことがある

出産を経験したことない女性の場合、ミレーナの挿入時に痛みを感じやすいといわれています。しかし、医療機関によっては痛み止めや麻酔の対応も可能です。不安な人は、事前に医療機関に確認するとよいでしょう。

ミレーナを装着するには

婦人科医の女医と患者

続いて、ミレーナを使用するための具体的な方法を紹介します。ミレーナと低用量ピルでは、費用とメンテナンスに違いがあります。

医療機関を受診

ミレーナを装着するには、ミレーナを取り扱っている婦人科の受診が必要です。

医師の診察と検査によりミレーナの効果が期待できることが判ったら、ミレーナを子宮内に挿入します。ミレーナの挿入は、子宮口が開いている月経中に行います。

ミレーナ装着にかかる費用

ミレーナ装着にかかる費用は、おおよそ次の通りです。

避妊目的の場合は自費診療となり、約3万円が発生します。ただし、医師に月経困難症や過多月経と診断された場合、治療としてのミレーナ使用には保険が適用され、自己負担は約1万円(3割負担の場合)となります。

ミレーナ装着後のメンテナンス

ミレーナ装着後は、医療機関での定期健診が必要です。使用目的にもよりますが、装着後おおよそ1ヵ月後、3ヵ月後、6ヵ月後、12か月後に医療機関へ足を運びます。

また、ミレーナを装着すると月経の回数や経血の量が減り、1年後までに約20%の人が無月経になるといわれています。これは黄体ホルモンの効果によるもので、必ずしも妊娠や閉経を示すものではありません。

ミレーナが気になったら、医療機関に相談してみよう

空に手を広げる女性

ミレーナとは、女性の子宮内に装着するT字型の避妊具です。ミレーナ本体に付加された黄体ホルモンの影響によって、約5年間の長期にわたる避妊効果が期待できます。

ミレーナの使用にかかる費用は、低用量ピルを5年間服用し続けた時よりも大幅に抑えられるため、長期の不妊を希望する人にはおすすめです。また、低用量ピルの服用が難しい人も、ミレーナであれば使用できるケースがあります。ミレーナに興味を持った人は、まずは医療機関に相談してみましょう。

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