最近、さまざまな分野で耳にするフェムケア。「聞いたことはあるけど…詳しい意味はわからない」「なんとなくは知ってる」など、はっきり答えられる人は少ないのではないでしょうか?
今回は、そんなホットなワードにも関わらず、まだまだ浸透しきれていない「フェムケア」について解説していきます。
「フェムケア」とは?フェムケアを知る
フェムケアとは?
フェムケアとは、「Feminine:女性の〜」と、「Care:手当する〜」を掛けわせた言葉で、女性の健康・身体などをケアする、商品・アイテム・サービスなどを表した日本での用語です。海外から発祥の言葉と思われがちですが、違います。海外でのフェムケアとは、腟カンジダ症の治療薬を指し、日本での意味合いとは違います。
【フェムケア製品例】
・インナーウェア(吸水ショーツなど)
・オーガニックな生理用ナプキン
・健康食品などのサプリメント
・更年期障害ケアグッズ 他
フェムテックとの違い
「フェムケア」と同様に、最近よく耳にし、おなじ部類と扱われる用語です。
「フェムテック」とは、「Female:女性」と「Technology:テクノロジー」をかけ合わせた造語で、「フェムケア」と同様に、女性特有の悩みや課題を解決していく技術を指す言葉です。しかし、「フェムテック」は人工知能(AI)などを用いて導きだされた製品・サービスなどのことを指し、「フェムケア」は日本で派生した用語と言われ、テクノロジーを用いない製品・サービスを指すとの違いがあります。但し、世界的には、フェムケアもフェムテックの同様の分野として区分けされているようです。
【フェムテック製品・サービス例】
・月経を管理するサービスアプリ「ルナルナ」
・排卵日検査キッド
・オンライン「ピル」サービス「スマルナ」他
フェムケアとは?フェムケアの認識度
昨年の11月にある会社が30~50代の女性に行った調査によると、
「フェムテック(フェムケア)」について
Q.知っているor聞いたことがある
13.3% という回答でした。
多くのメディアで取り上げられて2021年の流行語大賞にノミネートされた事などにより、今年3月に行った調査では、22.0%と、10%近くの認知度は上がったものの、世界水準で盛り上がりをみせる「フェムテック・フェムケア市場」ですが、日本女性の認識度はまだまだ、低いようです。
参考サイト:共同通信社
フェムケアの重要性とは
現在、世界全体的にみた時に、女性の立場は、男性に比べ、あらゆる分野での格差が生じている状況です。
2030年までに、17の項目の世界共通目標である、SDGs(持続可能な開発目標)の一つの課題に「ジェンダー平等を実現しよう」との項目があります。この課題を達成させるには、「フェムテック・フェムケア」製品及びサービスが不可欠です。
男女平等を謳っていても、現実には、まず、男性と女性の「体」の特性は一緒とはいえません。女性には、男性にはない、生理や妊娠・出産・更年期など、女性特有の悩みがつきものです。これらをサポートするために産まれた「フェムケア・フェムテック」は、今後ともに、女性の社会進出を後押しするためにも重要な役割だといえるでしょう。
2022年現在「フェムケア」に対する世の中流れとは
ジェンダーギャップ
ジェンダーギャップとは男女格差のことです。世界各国の状況を、教育・経済・政治・保険の分野にわけ、ジェンダーギャップ指数を割り出した、世界経済フォーラムの「グローバル・ジェンダーギャップ報告書」にて、日本は、156ヵ国中、120位との結果で、かなり低く、日本のジェンダーギャップ指数は先進国で最下位となっています。
フェムケアと大企業
SDGsの目標の一つである「ジェンダー平等を実現しよう」によって、世界は一気に、男女平等への流れへと向かっています。その中で、世界は勿論、日本でも「フェムケア・フェムテック」分野に参入する企業が増え、ここ数年で様々な製品、サービスなどが提供されるようになってきました。ある大企業では、あらゆる世代の女性の体の変化に合わせたインナーの開発を行い、様々な年代の悩みに寄り添った商品展開がされています。
SDGsを含む関連記事:性産業界も例外じゃない!地球環境に配慮したエコな大人のおもちゃたち♡
フェムケア市場
日本での「フェムケア・フェムテック市場」は、年々拡大して行っており、2021年では、市場希望は、642億9,700万円と前年比103.9%との伸び率を推移しており、2022年も勢いは劣えず、前年比をまた上回るであろうと言われています。
世界規模でも、フェムテックの市場投資は、2008年〜2018年の10年間で、約17倍となり、アメリカのリサーチファーム「Frost&Sullivan」の調査によると、フェムテック市場は、2025年までに5兆円規模の市場になると予測されています。
フェムケアとは?5大フェムケアアイテム
1.デリケートゾーンケアグッズ
女性特有のデリケートゾーンといえば脱毛などでお馴染みの、V.I.Oゾーンを指します。このデリケートゾーンは、とても繊細な箇所な為、ちょっとしたことで、肌トラブルなどが起こりやすい分、フェムケアの考えとしては、お顔や髪と同様に、デリケートゾーンも日常的にケアが必要とされています。
ピュビケア オーガニック フェミニンマッサージミルク
お風呂上がりにオーガニックなこちらのミルクで、デリケートゾーンのケアを始めてみませんか?
フェミナチュールジャムウクリアナノソープ
デリケートゾーンの洗浄は、優しく、けれどきっちり汚れを除去する事が基本な為、低刺激にこだわった、こちらのソープがオススメです。
2.吸水パンツ
女性特有の悩みといえば、月経が真っ先に浮かぶほど、色々なトラブルが多い、生理期。そんな女性の悩みを解決すべく開発された、吸水パンツの登場は、女性の生理期間の不快感をかなり軽減させました。
Be-A 吸水ショーツ
吸水ショーツの王道であるこちらの製品。120mlもの吸水力を誇り、多い日でも快適に過ごせる逸品です。
3.月経カップ
吸水パンツと同様、月経の負担を軽減させる為に、生まれた月経カップ。欧米では第3の生理用品として定着しています。日本では、まだまだ利用者が少ないですが、今後、もっと広まる可能性が高い商品です。
MedikenCup
医療用シリコンを使用されたこちらの製品、化学物資の不安もなく使用ができ、5年間の劣化試験に合格をしており、環境にもコスパが魅力的なアイテムです。
4.膣トレ
産後や高齢女性の性的現象トラブルである「尿漏れ」を回避させる為には、骨盤底筋を鍛える、いわゆる「膣トレ」が有効です。産婦人科で指導されることも多く、フェムケアアイテムとして、様々な製品が登場しています。
EMIGI エミギ ラブパール ライト&ノーマル セット(インナーボール)
柔らかいゴム素材で無臭です。サイズも小さめで、膣トレ初心者におすすめのアイテムです。また、ラブパールの中の重りが転がるため、その振動の刺激により、ラブグッズとしても活用できます。
5.オーガニックナプキン
これまで、ナプキンといえば、ポリエステル製が一般的であり、これら素材が、女性の体によくない事が徐々に判明しています。そういった中、フェムケア製品として、女性の体を第一に考えた、オーガニックなナプキンが登場、ナプキンの選択肢が広がり、特に健康志向の女性に人気を得ています。
オーガニックコットンナプキン
柔らかいコットン製の布ナプキです。こちらの商品は、3種類の生地から自分の好みで選べ、自分に一番あった素材のナプキンをカスタマイズでき、日本工場にて、一枚一枚手作りなことも魅力的です。
女性が己を大切にすることこそが「フェムケア」
ここまで紹介してきた「フェムケア」をシンプルにすると、「女性が、自分自身を大切にする事」だと思います。世界的に女性の地位はまだまだ低いとされる中、日本は特に、男女格差が大きいとされる現状。女性たち自身の意識改革も必要で、たくさんの女性が自身の体を大切にし、フェムケアグッズの利用する事で、フェムケア・フェムテック市場がどんどん拡大していき、女性がもっと働きやすく、楽しく過ごせる未来が開かれるように切に願うばかりです。