友達や同僚の結婚・出産・昇進などの報告を聞くと、心がモヤッしてしまう女性は多いのではないでしょうか。「人の幸せを素直に喜べない自分は性格に問題があるのでは」と罪悪感を感じてしまうこともあるかもしれません。
特に女性の人生は、年齢を重ねるごとにさまざまな選択を迫られ、お互いの環境が変わることで感覚のズレが生じやすいものです。
この記事では、人の幸せを喜べない理由と心がラクになる考え方、具体的な対処法を紹介します。心がつらいと感じている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
人の幸せをうらやましいと思ったことはある?
出典:リビング仙台Web(アンケートはリビングファン、リビング読者モデル、リビング仙台Web会員を対象に2020年8月4日~12日実施。有効回答数128)
アンケートでは、約8割の人が「他者をうらやましいと思ったことがある」と回答しています。
他者に対してうらやましいと思う気持ちは誰にでも起こることです。うらやましい出来事に、聞いた人の心がどう反応するかは、それぞれの環境によって異なります。
女性の場合は特に、年齢を重ねるごとに「結婚するorしない」「出産するorしない」などの選択肢を迫られがちです。周囲の人の環境が変化していく中で、自分と周囲を無意識に比べてしまい、不安を抱えてしまうこともあるでしょう。
人の幸せを喜べない心理状態になる理由
人の幸せにモヤっとしてしまう現象はなぜ起こるのでしょうか。ここでは、人の幸せを喜べない心理状態になる理由を紹介します。
人と違う自分に不安を感じるから
人生の選択肢が広がる現代でも、心のどこかで「周囲と同じ方が安心する」と考える人は多いでしょう。
知人の結婚・妊娠・昇進などの報告を聞くと、先を越されてしまった、自分だけ取り残されてしまったと感じてしまうことも。世間体が気になり、周りにどう思われているか不安になることもあるかもしれません。
無意識に競争してしまっているから
人は、同級生や同僚などの身近な人と自分の境遇を比べることで、安心感を得ようとするものです。
大切な家族や親友の幸せは自分のことのように喜べるものの、職場やSNSでつながっているだけの知人の幸せにはモヤッとしてしまう場合もあるでしょう。
相手に自慢されたと思ってしまうから
幸せな出来事を報告されることで、相手にマウンティングをとられているように感じることもあるでしょう。
相手に対して「それって自慢?」「私の気持ちも知らないで」と怒りを感じることもあるかもしれません。
自分の生活に余裕がないから
自分自身の生活に余裕がない時は、人の幸せを喜ぶ余裕もないものです。
たとえば、自分が失恋して落ち込んでいる時に友達に彼氏ののろけ話をされたり、自分は経済的に余裕がないのに知人に高い服を買ったといわれたりすると、自分と相手との違いにモヤモヤしてしまうことがあるでしょう。
自分の方が努力しているのにと不満に思うから
身近な人が、自分が今目指しているものを先を手に入れたら、「私の方が頑張っているのに、なぜあの人が先に?」と思ってしまうこともあるでしょう。
たとえば、自分は誰よりも仕事を頑張っているのに同僚が先に昇進したり、自分が長期間妊活をしている中で知人が先に妊娠したりするなどの場面では、自分自身の結果が出ないことへの苛立ちとともに、上手くいっている人への嫉妬を感じてしまうこともあるものです。
人の幸せを喜べない時におすすめしたい考え方
人の幸せを喜べない時は、発想を転換させると心がラクになることがあります。続いて、人の幸せにモヤモヤする時に試したい考え方を紹介します。
人の幸せを喜べないのは当たり前
人の幸せを喜べないことに罪悪感を感じている人は、「本当は素直に喜べるようになりたい」というやさしい心を持っている人です。
どんなにやさしい心の持ち主でも、人の幸せを喜べるのは自分自身に余裕があってこそ。自分を責めてしまう人は、「今は周囲の幸せを喜べないほど追い込まれた環境にいるんだ」と考えてみると、自分への労わりの気持ちが湧いてくるでしょう。
精神的に疲れているサイン
人の幸せにモヤッとする時は、自分自身の心に余裕がないサインとも考えられます。
まずは、人の幸せを素直に喜べない自分を「大丈夫だよ」と受け入れてあげることからはじめましょう。自分の現状を振り返って「頑張っているね」「それはつらいよね」と寄り添ってあげるとよいでしょう。
自分の願望に気付く機会
人の幸せにモヤッとしてしまう時は、実はあなた自身がその出来事を求めている可能性が高いでしょう。
自分には必要ないと思っていても、本心では気にしているのかもしれません。心の中で、自分の正直な気持ちに向き合ってみるのもよいでしょう。
あなた自身の幸せが減るわけではない
他の人が幸せになると、自分が不幸になったような気持ちを抱く人もいるかもしれません。
しかし、人によって幸せのタイミングは違うため、誰かが幸せになったからといってあなた自身の幸せは減るわけではありません。それぞれ別の人生、別々の山を登っているような感覚でいると、自分は自分、他人は他人と考えやすくなるでしょう。
今持っているものに感謝する
他人に対してモヤモヤを抱いている時は、自分が持っていないものに目がいきがちです。
そのような時こそ、今あなたが持っているもの、たとえば、健康・環境・人間関係などを見渡してみましょう。今持っているものを活かして、楽しく過ごす方法を考えてみるのもよいでしょう。
自分に幸せが訪れたら報告する
誰かの幸せを喜べない経験をすると、いざあなたが幸せをつかんだ時に「人に言ったら、あの時の自分と同じように相手をモヤモヤさせてしまうのでは?」と考える人もいるのではないでしょうか。
そこで、今羨ましいと感じている相手に、自分が同じ境遇になった時に報告をしたり、相談をしたりしてみましょう。今はモヤッとする相手も、いつかあなたにとって心強い存在になってくれるはずです。
心のモヤモヤから解き放たれる方法
ここでは、心のモヤモヤを解消する具体的な方法を紹介します。自分自身を労わることを最優先に、できることから行動してみましょう。
自分にとっての幸せを考えてみる
人に対してモヤモヤを抱えるのがイヤだと感じる時は、あなたの人生を見つめ直すチャンスでもあります。「自分にとっての幸せは何か」を考えてみましょう。
人と話したり紙に書いたりして考えを整理し、メリット・デメリットを洗い出す方法もあります。今の状態がよいと思えば納得でき、状況を変えたいと思ったなら一歩ずつ行動してみるとよいでしょう。
同じ境遇の人と話す
自分と似たような境遇・環境にいる人と交流すると、「悩んでいるのは自分だけじゃないんだ」と安心できます。
友達や同僚などの身近な人と直接話すのはもちろん、インターネット上には悩みを投稿できるコミュニティもあります。あなたにとって、しっくりくる方法を探してみましょう。
モヤモヤする相手と距離を置く
ウエディングハイやマタニティハイなど、度を越した幸せアピールにモヤモヤしてしまう相手とは、しばらく距離を置いてみる方法もあります。
本人が幸せのあまり自分自身のことしか見えていない時は、周囲への配慮が欠けてしまうこともあります。あなたが無理に相手に合わせるよりは、自分の心を最優先して、一度離れる方がよいでしょう。
SNSから離れる
SNSから流れてくる情報に一喜一憂してしまうのであれば、一度SNSから離れてみるのもひとつの方法です。
アカウントのブロックはしないまでも、特定の相手の投稿が見えないようにミュートをするのもアリでしょう。情報をシャットアウトすれば、人の報告や近況を目にする機会が減るので、つい他人と自分を比べてしまいがちな人におすすめです。
自分の好きなことをする
自分の好きなことや楽しいことをしている時は、イヤなことも頭から離れるはずです。
常にどんよりとした気持ちになっている人は、没頭できる趣味や大好きな推しとかかわる時間を作るとよいでしょう。
運動をする
体に空気を取り込みながら行う有酸素運動をすると、脳に血液がめぐり、ストレスの緩和やリラックス効果があるといわれています。
散歩やサイクリング、ストレッチなど、手軽にできるものから始めてみるとよいでしょう。
人の幸せを喜べないのはあなただけじゃない
人の幸せを喜べないことに罪悪感を持ってしまう人は、「本当は素直に喜べるようになりたい」というやさしい心を持っている人です。
どのような人でも、自分自身の環境や心に余裕がない時は、人の幸せがつらく感じてしまうことがあります。
人の幸せを喜べないと感じる時は自分を責めるのではなく、まずは自分の心を守ることを最優先に、相手と適切な距離をとりながら、余裕を取り戻すことが大切です。一度離れたとしても、縁のある人ならいつかまた出会えるでしょう。