卵子凍結とは|気になる費用や対象年齢、知っておきたいリスクを詳しく解説

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ハートのモチーフを手に持つ妊婦

「卵子凍結」といった言葉を聞いたことはありますか?もしかしたら、卵子凍結を考えている女性も、いるかもしれません。

今回はそんな卵子凍結について解説します。卵子凍結について知りたい人、気になってはいるけど不安がある人は、ぜひ最後まで読んでくださいね。

卵子凍結とは?卵子凍結の目的は?

羽根に守られた卵

卵子凍結とは、将来の妊娠・出産に備え、卵巣から取り出した卵子を凍結保存することです。

卵子は年齢とともに、妊娠率が低下していきます。しかし卵子凍結によって、質のいい卵子を保存でき、妊娠率が高い期間を引き伸ばせる、といったメリットがあるのです。

凍結した卵子を用いて、妊娠を希望する場合は、体外(顕微)受精が行われます。その際の、卵子1個当たりの妊娠率を、確認しておきましょう。

30歳以下で採卵した場合 35%前後
31〜34歳で採卵した場合 30%前後
35〜37歳で採卵した場合 25%前後
38〜39歳で採卵した場合 20%前後
40歳以上で採卵した場合 15%以下
引用:リプロダクション浮田クリニック

年齢を重ねるにつれ、流産の可能性は上がっていきます。若いうちの卵子凍結は、自然流産のリスクを抑える点においても、期待されているのです。

本記事は主に、未婚の成人女性における未受精卵凍結について、解説していきます。後ほど受精卵凍結についても触れますが、まずは卵子凍結について、もう少し深掘りしてみましょう。

【お読みいただくうえでの注意】

  • 本記事は、卵子凍結を推奨する意図はありません。
  • 本記事の執筆にあたり、十分な調査を行っておりますが、詳細は医師(専門医)に相談してください。

医学的適応による未受精卵凍結

薬や抗がん剤の副作用で、将来の妊娠に支障をきたすと考えられる場合、治療前に卵子を凍結保存することを指します。主にがんや、白血病の患者が対象です。

治療前に卵子凍結しておくことで、採卵時にパートナーがいなくても、将来の妊娠が望めます。成功例も多々あり、病気と闘う人にとって、希望ある手段と言えるでしょう。

社会的適応による未受精卵凍結

健康な状態でいながら、将来のために行われる卵子凍結を、社会的適応による未受精卵凍結と呼びます。「キャリアに集中したい」「今はパートナーがいないが、いずれは妊娠・出産したい」といった女性が、この選択肢を取るようになってきました。

しかし、採卵時に使用する薬などで、副作用が起こる可能性もあります。医学的適応による卵子凍結でも起こり得ますが、その点もよく理解したうえで、実施するか判断したいところです。

卵子凍結で考えられる3つのリスク

低めにチェックされたフィードバック

卵子凍結には、多くのメリットがあります。しかし、それと同時に、リスクについても考えておきましょう。

特に卵子凍結で負担になるのは、身体的リスクだけではありません。その点を理解したうえで、卵子凍結におけるリスクを、3つ紹介します。

①採卵時に副作用が起こる可能性がある

先ほども触れましたが、採卵時には、副作用が引き起こされる可能性があります。具体的にいうと、採卵時に使う薬剤や麻酔による、アレルギーや合併症です。

すべての人に起こるわけではありませんが、心配な人は、事前にアレルギー検査をしておくといいでしょう。医師に相談しておくなど、対処しておくとより安心です。

卵子凍結を行っている病院・クリニックでは、アレルギーや副作用について、十分に配慮されています。不安なことがあれば、都度確認しておきましょう。

②将来の妊娠が保障されるわけではない

卵子凍結をしたからといって、妊娠が確約されるわけではありません。

妊娠・出産には、卵子の質だけでなく、母体の年齢も関係します。卵子凍結はあくまでも、採卵時の妊娠率を維持できるに、過ぎないのです。

よって卵子凍結した後も、妊娠しやすいカラダづくりは欠かせません。自分のライフプランを考え、できるだけ早いうちの妊娠・出産計画を立てるのも、大切です。

③採卵・保存において費用がかかる

卵子凍結は、原則自費診療です。よって費用は、全額自己負担になります。

また費用がかかるのは、採卵から保存まで、ではありません。妊娠を希望し、凍結した卵子を融解・培養するなどにも、費用がかかってきます。

そのため何歳のときに、いくつ卵子凍結するのか、がポイントです。専門医と相談し、納得したうえで、決定する必要があるでしょう。

卵子凍結の対象は?年齢制限はあるの?

地面に寝転ぶ3人の女性たち

卵子凍結の対象年齢は、各病院によって異なりますが、大体40歳未満の年齢制限が設定されているところが、ほとんどです。また多くの病院では、36歳未満での卵子凍結が、推奨されています。

これは母子ともに安全な妊娠・出産を守る、といった理由があるからです。採卵時の推奨年齢に関しても、卵子の質の低下を防ぐ目的から、目安が設定されています。

では卵子凍結時点で、未婚か既婚かは関係あるのでしょうか?それぞれ解説していきますね。

未婚の場合

先ほど説明した、医学的適応・社会的適応のどちらにおいても、未婚での卵子凍結は可能です。

特に医学的適応による卵子凍結では、本人と保護者の同意があれば、未成年も対象となります。ただし、病状や治療法によっても対応が異なるため、医師への確認が必要です。

既婚、もしくは事実婚の場合

パートナーがいる場合でも、卵子凍結は可能です。しかし既婚、または事実婚の場合は、未受精卵よりも妊娠率が高い、受精卵凍結を勧められるケースが、少なくありません。

また保存期間の延長、保存期間途中での卵子の破棄は、両者の同意が必要です。さらに、どちらかが死亡または離婚した場合、凍結卵は破棄されるため、妊娠を図るのは不可能となります。

卵子凍結をより理解するためのQ&A

お腹の上でハートマークをつくる女性

ここまで読んでも、まだ卵子凍結について、疑問は尽きないのではないでしょうか?

そこで卵子凍結に関して、よくある疑問を、Q&A方式で紹介・解説していきます。特に金銭的なことについて、具体的に解説しているので、参考にしてみてくださいね。

費用はどのくらいかかるの?

A:30〜50万円

費用は病院によって異なりますが、30〜50万円ほどが、相場と言われています。凍結保存する卵子の数と、保存期間によって変動するので、金額に幅があるのです。

卵子凍結から妊娠までにかかる費用を、あらかじめ計算しておくといいでしょう。病院でも見積もりを、比較してみるのも、おすすめです。

凍結した卵子の保存期間は?

A:通常1年。継続には手続き、更新料が必要

保存期間の更新には、手続きが必要なケースがあります。この手続きをしないと、保存した卵子が破棄されてしまう場合もあるので、注意が必要です。

中には最初から、2〜3年の保存を前提としている病院もあります。保存期間を忘れないのがいちばんですが、自分のライフスタイルに合わせて、選ぶと安心ですよ。

卵子凍結は保険適応になる?補助金や助成金はあるの?

A:卵子凍結は自己診療。各自治体によっては補助金・助成金制度あり

医学的適応による未受精卵凍結では、助成を受けられる場合があります。また、不妊治療費助成制度の対象になる場合もあるので、各自治体に確認しましょう。

補助金や助成を受けるには、いくつかの制限がある場合が、ほとんどです。病院や自治体に確認して、ぜひ制度を有効利用してくださいね。

卵子凍結は選択肢のひとつ。よく理解してから進めよう

卵子凍結は、リスクや費用に納得できるのであれば、若いうちに行うのが理想です。将来妊娠・出産を考えている女性にとって、検討する価値のある選択肢と言えるでしょう。

そのうえで、信頼できる病院を見つけるのも、大切です。自分の考えやライフプランを見つめ直し、あなたにとってベストな選択ができることを、願っています。

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