他人事ではない?離婚者が増えゆく日本で、離婚理由に多い「性の不一致」の実態

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自分を抱える悩まし気な女性

3組に1組は離婚をすると言われている、現在の日本。それぞれに色々な事情があって、別れを選ぶわけですが、今回は、カップルの離婚理由の一つとしてよく耳にする「性の不一致」を調査。現在進行形でお悩み中の方だけではなく、誰にだっていつか直面するかもしれないこの問題に、是非あなたも向き合ってみませんか?

性の不一致とは具体的に何?

ハートの中のアートな男女

今回のテーマである、性の不一致による離婚。「性の不一致」とは、いったい何を指すのでしょうか?次に紹介していく3つの悩みが、一般的に「性の不一致」とされているものです。まず、そこから整理していきましょう。

セックスレス

性の不一致で最も多いのがセックスレスです。
多くの夫婦がセックスレスに悩まされているのだとか…セックスレスとは、夫婦間で正当な理由が無いにも関わらず、長い期間(おおくは1年との定義)も、性行為を行わない状況が続く事をさします。どちらもこの状況に納得していれば問題ありませんが、大抵のカップルでは、どちらか、もしくは両方ともが我慢や無理をしています。そんな状況が続く事によって、次第に体はもちろん心まで離れていき、最悪の場合離婚に至ることもあるのです。

性的DV

夫婦間であっても、望んでいない肉体的、精神的に苦痛が生じる性行(為性的DV)は、あってはならないことです。確かに、夫婦は性的な相手の欲求に多少なりとも答える必要はあるのですが、だからといって、無理に毎度のこと、要求に応じる必要はありません。「毎晩のように体を求める」「セックスの欲求に応えなければ、あきらかな不機嫌や嫌がらせをする」などの行為は、性的DVに値します。しかし、自分が性的DVをしていることに気づいていない男性も多いのです。

性的価値観の違い

最後に、性的価値観の違いについて解説していきましょう。
自分は子供をもちたいと願っているにもかからず、パートナーはそれを拒否し、避妊をし続ける事も性的価値観の違いに該当します。また、一方は性的行為をとても大事にしているにも関わらず、もう片方は、性行為への関心が低く、できれば性行為はしたくないなど、性的な感覚が両極端な場合も、深刻な性的な価値感の違いにあたります。

性の不一致による離婚の運び

逆方向に顔を背けた男女

離婚をしたカップルでその理由の一つに「性の不一致」を挙げる人が多いとのと事を冒頭でお伝えした通りです。ここからは「性の不一致」による離婚との法的なプロセスについて解説していきます。

離婚協議について

お互いに相違なく別れを決意した場合、話し合いで解決できれば一番ですが、どちらか拒んだ場合は、裁判所(第3者の目)で判断してもらう必要があります。これがいわゆる離婚訴訟というものです。裁判所がお互いの意見を聞いた上で公平な判断をし、離婚に値する事由なのか法的な結果を導き出します。

法的にOK?性の不一致が理由の離婚

上記でお伝えした通り、お互いが離婚に納得していれば、紙切れ一枚にサインするだけで、離婚は可能です。ただし、離婚を司法に委ねる場合は、法的に離婚が理由に該当する必要があります。相手が拒否しても法的に離婚が認められる事項は以下の通りです。

1.不貞行為(不倫)
2.悪意の遺棄
3.3年以上の生死不明
4.強度の精神病
5.その他婚姻を継続し難い重大な事由

性の不一致での離婚理由は「5.その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当する場合があり、法的にも離婚が可能な事柄です。しかし、それを認めてもらうには、「性の不一致により、夫婦関係が破たんしており、もう元どおりになる見込みがないこと」また「その証拠の証明」が必要など、ハードルが少々高い傾向にあります。

性的不一致による離婚の慰謝料

さて、性的な不一致による、離婚での慰謝料は発生するのでしょうか?
答えは、「慰謝料発生の可能性はある」です。

「慰謝料」の支払いを請求できる条件として、相手方の「不法行為」(民法第709条)に起因して、精神的な損害を被った場合とされています。しかし、この法律文では一般人からすると、よくわからないので、具体的に、慰謝料が認められやすい事例を2点、ここに挙げておきます。

・配偶者が一方的に性交渉を合理的な理由もないにも関わらず、拒否をしている場合

・配偶者が拒否しているにも関わらず、執拗に性交渉を要求し、強引にセックスに持ち込まれたなどの事案が発生した場合

要は、一方的なセックスレスでの精神苦痛、性的DVなどが事実としてあったのだと立証できれば、慰謝料の請求が可能とのことです。

性的不一致が原因で離婚体験談

不仲な鳥の石像

性的な不一致が原因で離婚したカップルの3つのエピソードを紹介します。ご自身と重なる心情があれば、参考にしてみてください

ケース1.セックスレスの解消が出来ず、愛情が薄れ離婚

同棲の頃から、セックスの頻度は少なく、不満に思う事もあったのですが、好きだったし、そのまま結婚する事になりました。しかし、結婚してからはもっと深刻に…何度もアプローチをかけていましたが、不発続き、次第に誘う自分も惨めで虚しい日々。今思い出しても泣けてきます。このままでは子供も作れないし、何度も相談をしたのですがとりあってくれず「この人と一生いる必要がある?なし!」との悟りに。そこから決断は早く、即離婚。今では新恋人と楽しいセックスライフを送ってます。(30代女性)

ケース2.長年の性のDVに耐えた末の離婚

元旦那は性的欲求がすごく強い人でした。こちらの事情などお構いなしに…ほぼ毎日のように求められ、誘いがひつこい上、断ると不機嫌になり、家庭内の空気がすごく悪くなるので、我慢して受け入れる日々を10年以上過ごしていました。ある日、そんな我慢の糸がプッチンと切れ、意を決して、支援団体に相談しました。その時、元夫のこういった行為が性的DVである事を初めて知ったのです。そこからはその支援団体の協力の下、私に有利な形で元夫との離婚が成立しました(40代女性)

ケース3.性の不一致から逃げた不倫離婚

セックスレスで常に欲求不満であったわたし。そんな我慢の日々に耐えきれず、とうとう職場の同僚と不倫に手を染めてしまうことに…その不倫が夫にバレ、慰謝料請求を受けて、泥沼離婚劇へと突入。夫婦関係の破綻が不倫前にあったかどうかの争点に、今まさに裁判中です(30代後半女性)

性の不一致に陥った時の身の振り方

性の不一致に直面している場合、まず、あなたがどうしたいのか、未来のビジョンを明確にする必要があります。まだパートナーに愛があり、2人で乗り越えていきたいと思うのであれば、話し合いであったり、解決策を見つける努力をしましょう。逆に、お別れを選択するのであれば、本記事でご紹介した通り、性の不一致での離婚は、相手が拒否した場合「夫婦生活が破綻している」ことなどを立証する必要があります。小さな事でもいいので、離婚に向けて、自分の有利になるように、状況証拠を残していきましょう

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